· 北京筆記本 江河水を弾く時に・・・ 忍者ブログ
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2011年07月17日 (Sun)
9級の試験曲は、指定曲紅梅随想曲ともう1曲自選曲を自分で選びます。
本来テクニック的には難しくなく、なぜこの曲が9級の中に??
と不思議に思った江河水を迷いなく選曲したわけですが・・・・。

江河水  
もともと声楽曲ですでに元か明の時代にすでにあったと言われ、
昆劇や京劇の中でも歌われてきました。
その後笙管、双管、そして二胡曲へと編曲されました。
二胡奏者・愛好家の間ではあまりにも有名な曲です。
趙先生の曲集の中に解説としても載っていますが、
小沢征爾さんが閔惠芬さんの演奏を聴いて哀切を極め
胸を突き破る曲と慟哭したことで日本でもすっかり有名になりました。



この曲の伝説は、ある新婚間もない夫婦が幸せに暮らしていたところに、
夫がとつぜん労役を命じられます。
現地に赴いたまま何年も帰らず、妻が意を決して気の遠くなるような遠い場所に
夫を探しに行く途中で、夫の仲間に会いその死を知らされ
かつて夫を見送った河辺で滔々と流れる河に向かい、
夫との幸せだった生活を思い出し号泣し社会への怒りに震える・・・というものです。


中国の万里の長城、兵馬俑・・数多くの私たちが感動させられる歴史的建造物は
こうした多くの犠牲があったからこそ・・・
「項羽と劉邦」では劉邦が長城の労役を命じられるのに、
期限までに着くことができず、遅刻は処刑されるので
姿をくらましたというくだりから始まった気がしますが
その頃から想像を絶するほど過酷なものだったのでしょう。

技術的にはなんということもない曲ですが、その悲しみや怒りを表現するのは
恐ろしく難しいということを思い知らされ
いつもレッスンで趙先生が弾いてくれる江河水を聴いては感動し、
この曲を自分のものにするには、まだまだほど遠いと痛感するのでした。


                      


私がこの曲を弾く時には彼らのことをつい考えてしまうのです。



これはうちの部屋から見えるとなりの工事現場・・
5つ星のホテル建築中の光景。
炎天下の中黄色いヘルメットを被った人たちが
百人以上は動いているのが分かります。
北京中どこでも見られる光景です。



朝5時にはもうすでに仕事は始まっています。

彼らは「農民工」(農村から都市に出て働く臨時就労者)といわれ
2010年の農民工総数は2億4200万人、
そのうち年齢が16歳から30歳までの新世代農民工は約1億人。
中国の経済発展を陰で支えるなくてはならない存在です。



彼らの住居は一昔前に比べかなり改善はされたのでしょうが
この中でゆっくり体を休めることができるのでしょうか。

朝5時過ぎに農民工目当てに朝ご飯を売りに来るおばさん・・・
彼女もまた出稼ぎに出てきた一人。



大きい餃子を油で揚げたようなものは一個5角(6~7円)。
多分簡単なぶっかけご飯は出るんだろうけど、それじゃ足りないんだろうな・・・
この値段じゃどんな材料を使っていることやら・・・
夜は夜でまた晩御飯を売りにやってきます。



燃料は練炭。



彼らが汗水たらして建てた場所で
中国の大金持ちが湯水のようにお金を使う。
時代は変わってもこれじゃあんまり変わってないような気がする・・・
日本の原発にも通じるところがある気がします。


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無題
私も西安に行ったときに同じような 光景を見ました。 朝早く 大型バスで農民工がたくさん集まっていました。この人たちが中国の底辺を 支えているんでしょうね。手抜き工事がないといいです
キングトム 2011/07/22(Fri)10:56:19 編集
無題
キングトムさん
毎日見てる限りでは手抜き工事はない気がします。
北京では・・・の話ですが・・・。
.nancy 2011/07/25(Mon)09:34:35 編集
ギャップ
中国での高速鉄道での事故…たくさんの犠牲者よりも国の威信を重んじる政府。胸が痛みました。日本の原発事故にも通ずる所があります。でも中国も変わりつつあるように思います。国民一人ひとりが自分で考え行動することがこれから大切なのだと思います。中国も日本も…。
翠葉 2011/07/28(Thu)02:12:40 編集
無題
翠葉さん
ほんとですよね・・・・
ネット社会の中国・・少しずつ民主的方向にに変わっては来ていますが
これを機にもっと良い方向に向かってくれればと思います。
.nancy 2011/07/29(Fri)16:01:14 編集
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