北京から帰ってきましたが、がんばって細々と続けます。
よろしくお願いいたします。
ちょっと気になっていた胡同百花深処(百花の奥底)を
レッスンの帰り、新街口に用事があったのでぶらぶらと探してみました。
護国寺の北・・・新街口大街から東に続く胡同・・・。
「北京の胡同に入らなくては、北京のことを理解できない」という言い方があります。胡同は十三世紀にフビライが元の都を北京に置いた時に出てきたものです。胡同は当時のモンゴル語で「井戸」、「横道」「テントとテントの間の通路」など、いくつかの説がありますが、「井戸」が一般的のようです。というのは、北京最初の都市づくりは井戸の位置によって決められたものです。それぞれの胡同には一つ井戸があるように配置されました。
もともと百花深処という名前ではなかったこの胡同・・・
明の時代に引っ越してきたある夫婦が野菜や花の栽培をしていて、
春になると色々な花が咲いてすっかり有名になり
百花深処と呼ばれるようになったそうです。
その趣のある名前から、北京の町と人々をこよなく愛した
老舎(ろうしゃ 中華民国、中華人民共和国の小説家、劇作家)の
文章の中に出てきたり、顧城(こ・じょう 詩人)の詩にも
歌われていると言います。
そして歌にもなっていたんです。
One Night In 北京 詞・陳昇/劉佳慧 曲・陳昇
北京での一夜 多くの思いを残した
愛そうが愛すまいが 全ては歴史の塵となる
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 百花深処に迷い込むかもしれないから
(百花深処には老婦人が住んでいて 刺繍の靴を縫っているという
穏やかな表情の老婦人は 戦に行ったあの人を今も待ち続けている)
北京での一夜 深酒はよした方がいい
地安門の外を通って心を動かさないものはいないのだから
北京での一夜 多くの思いを残した
杯を掲げ高らかに歌う男は北方の狼族
北方の狼族は寒風が吹くと街の門の外に現れるのだという 錆びついた鎧を着て
門の外で呼び声を上げている 目には涙を浮かべて
ああ 千年も待ったのに 門はなぜ開かないのか
(ああ 千年も待ったのに なぜあの人は戻ってこないの)
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 傷ついた魂を呼び醒ましてしまうから
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 地安門に行き着いてしまうといけないから
(もう聞きたくない あなたはどこにいるのか
もう考えたくない あなたは戻ってこられるのか
あなたの心 あなたの顔 心の中に留めて
手放さずに済むなら手放したくない)
信楽団が歌う北京一夜
オリジナル陳昇の歌う北京一夜
こんな伝説があると言います。昔、この胡同に若い夫婦が平凡で幸せな日々を過ごしていました。ある日、夫は政府に連行され、軍隊に入隊させられました。数年待っても、夫はずっと帰ってきませんでした。妻は毎日、地安門(北京の地名)で夫の帰りを待ちました。来る日も来る日も、来る年も来る年も、ずっと待ちました。娘から中年へ、中年から老婆へ、やがて死を迎え肉体を失い魂へと姿を変え、……ずっと待っています。
ドラマ百花深処も昨年放映されたそうで
その主人公はあの蒼窮の昴春児役の余少群(ユィ・シャオチュン)
というからこれまた驚きです。
彼の出世作梅蘭芳(中国だけでなく、世界をも魅了した伝説の京劇女形)の故居もまたこのすぐそばというのも因縁を感じます。
いまも人が生活する普通の胡同百花深処ですが、
歩いているとふとこの歌の歌詞が頭をよぎり
胸がきゅっと締め付けられるような気持ちになってしまいました。
レッスンの帰り、新街口に用事があったのでぶらぶらと探してみました。
護国寺の北・・・新街口大街から東に続く胡同・・・。
「北京の胡同に入らなくては、北京のことを理解できない」という言い方があります。胡同は十三世紀にフビライが元の都を北京に置いた時に出てきたものです。胡同は当時のモンゴル語で「井戸」、「横道」「テントとテントの間の通路」など、いくつかの説がありますが、「井戸」が一般的のようです。というのは、北京最初の都市づくりは井戸の位置によって決められたものです。それぞれの胡同には一つ井戸があるように配置されました。
もともと百花深処という名前ではなかったこの胡同・・・
明の時代に引っ越してきたある夫婦が野菜や花の栽培をしていて、
春になると色々な花が咲いてすっかり有名になり
百花深処と呼ばれるようになったそうです。
その趣のある名前から、北京の町と人々をこよなく愛した
老舎(ろうしゃ 中華民国、中華人民共和国の小説家、劇作家)の
文章の中に出てきたり、顧城(こ・じょう 詩人)の詩にも
歌われていると言います。
そして歌にもなっていたんです。
One Night In 北京 詞・陳昇/劉佳慧 曲・陳昇
北京での一夜 多くの思いを残した
愛そうが愛すまいが 全ては歴史の塵となる
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 百花深処に迷い込むかもしれないから
(百花深処には老婦人が住んでいて 刺繍の靴を縫っているという
穏やかな表情の老婦人は 戦に行ったあの人を今も待ち続けている)
北京での一夜 深酒はよした方がいい
地安門の外を通って心を動かさないものはいないのだから
北京での一夜 多くの思いを残した
杯を掲げ高らかに歌う男は北方の狼族
北方の狼族は寒風が吹くと街の門の外に現れるのだという 錆びついた鎧を着て
門の外で呼び声を上げている 目には涙を浮かべて
ああ 千年も待ったのに 門はなぜ開かないのか
(ああ 千年も待ったのに なぜあの人は戻ってこないの)
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 傷ついた魂を呼び醒ましてしまうから
北京での一夜 多くの思いを残した
夜更けに道を尋ねない方がいい 地安門に行き着いてしまうといけないから
(もう聞きたくない あなたはどこにいるのか
もう考えたくない あなたは戻ってこられるのか
あなたの心 あなたの顔 心の中に留めて
手放さずに済むなら手放したくない)
信楽団が歌う北京一夜
オリジナル陳昇の歌う北京一夜
こんな伝説があると言います。昔、この胡同に若い夫婦が平凡で幸せな日々を過ごしていました。ある日、夫は政府に連行され、軍隊に入隊させられました。数年待っても、夫はずっと帰ってきませんでした。妻は毎日、地安門(北京の地名)で夫の帰りを待ちました。来る日も来る日も、来る年も来る年も、ずっと待ちました。娘から中年へ、中年から老婆へ、やがて死を迎え肉体を失い魂へと姿を変え、……ずっと待っています。
ドラマ百花深処も昨年放映されたそうで
その主人公はあの蒼窮の昴春児役の余少群(ユィ・シャオチュン)
というからこれまた驚きです。
彼の出世作梅蘭芳(中国だけでなく、世界をも魅了した伝説の京劇女形)の故居もまたこのすぐそばというのも因縁を感じます。
いまも人が生活する普通の胡同百花深処ですが、
歩いているとふとこの歌の歌詞が頭をよぎり
胸がきゅっと締め付けられるような気持ちになってしまいました。
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